交通事故Q&A

 交通事故についてよくある質問をまとめてみました。
 質問をクリックすると答えが表示されます。
 個別の事件については,法律相談をお受け下さい。


【 交通事故と健康保険 】
 交通事故の被害者として治療を受ける場合,健康保険は使えますか?

 健康保険を使うかどうかは被害者自身が判断して決めることが出来ます。特に、被害者の過失が大きいある場合には健康保険を使わないと,後に過失相殺分の治療費を支払うことになりますので,負担を低減するために健康保険を使う必要があります。

【 当面の生活費が必要な場合 】
 事故で休業しており,当面の生活費が必要なのですが。

 当面の生活費が必要であるにもかかわらず,示談がまとまらない場合には,自賠責保険の被害者請求制度を利用することが考えられます。これは,被害者が,加害者の加入している自賠責保険の支払いを直接請求するものです。加害者の同意は必要はなく,被害者側だけの手続きで保険金の支払いを受けることができます。

【 加害者が未成年の場合 】
 加害者が18歳の未成年なのですが,損害賠償請求はできますか?

 請求は可能です。損害賠償責任が認められるには,「責任能力」が必要ですが,一般に12歳程度を基準として責任能力が認められるからです。
 もっとも,親が加害車両を所有していれば,運行供用責任が認められます。

【 会社役員と休業損害 】
 会社役員の報酬について,休業損害が認められるんでしょうか。

 役員の報酬のうち,労務の対価部分については,休業損害が認められます。
 そこで,その会社の収益の程度,他の使用人の給与の状況,同業同規模の他社の役員報酬水準等の諸般の事情を考慮して,労務対価部分が判断されます。
 もっとも,その程度は様々で,その実態に応じて,判例も多様です。
 この点が,主要な争点となることも多いので,弁護士に相談することをお勧めします。

【 小学生の付添費用 】
 小学生の息子の通院に付き添った母親の費用は賠償の対象となりますか?

 お子さんが,小学生以下の場合には,一般的に付添は不可欠と思われますので,特に医師の証明なしで請求できます。もっとも,請求するのは付き添った人ではなく,被害者本人です。
 
【 加害車両が2台の場合 】
 2台の車にはねられた場合の損害賠償はどうするのでしょうか?

 この場合には,加害車両のいずれにも損害賠償を請求できます。特に請求に優先順位はありません。
 支払限度額は,1台についての支払い限度額 × 加害自動車の台数 となります。  そこで,1台目の車への請求で支払い限度額を超えてしまったときは,2台目の車へ追加の請求をすることができます。

【 被害者・加害者双方が死亡した場合 】
 事故の結果,被害者も加害者も双方が死亡した場合の処理は?

 被害者と加害者の双方が死亡したとしても,それぞれ相続人が権利と義務を引き継ぎますので,被害者の相続人から加害者の相続人へ損害賠償請求をすることとなります。
 また,加害者が死亡した場合でも,加害者側の任意保険会社については,保険金の支払義務を負っていますので,引き続き,任意保険会社に対して損害賠償を請求していくこととなります。
 
【 マッサージ費用・温泉治療の費用】
 マッサージ費用や温泉治療の費用も賠償の対象となりますか?

 症状によって有効な治療の場合には,認められますが,一般的には医師の指示が必要です。そこで,マッサージ等の必要があるという医師の診断書を証拠として取得しておくことが必要です。
 温泉治療についても同様ですが,額が制限されることが多いのが実情です。

【 自動車盗難と交通事故 】
 盗難車で交通事故が起きた場合,所有者に責任があるのでしょうか?

 自動車の盗難にあった場合には,所有者に過失がない場合には,責任を負うことはありません。しかしながら,キーをつけっぱなしにするなどの過失があった場合には,責任を負う可能性があります。
 そこで,短時間であっても,車を離れる場合には鍵をつけっぱなしにしないなど鍵の管理を徹底することが必要です。

【 賠償金と税金支払い 】
 損害賠償金を受領した場合には,税金の支払いをする必要があるのでしょうか?

 交通事故などのために,被害者が損害賠償金などを受け取ったときは,これらの損害賠償金等は非課税となります。
 ただし,治療費として受け取った金額は,医療費を補てんする金額であるため,医療費控除を受ける場合には,支払った医療費の金額から差し引くことになります。

【 交通事故と時効 】
 交通事故の損害賠償請求は何年しても出来るのでしょうか?

 交通事故による,害賠償請求権の時効は、損害および加害者を知ったときから3年,損害または加害者を知らない場合は事故の時から20年です。
 そこで,治療が長引いたり示談がまとまらないなどで事故から3年を経過しそうな場合には,時効に注意が必要です。

 時効を中断するには,裁判の提起等が必要です。
 また,後遺症については,症状固定時から3年で時効消滅します。

【 後遺障害を負った被害者の死亡 】
 後遺障害を負った被害者が別の原因で死亡した場合には?

 一般的には,後遺障害を負った被害者が症状固定後に,事故と因果関係のない別の原因で死亡した場合につき,死亡の事実は就労可能期間の算定上,考慮すべきではなく,逸失利益は死亡時までとされています。
 
【 加害者本人との交渉 】
 保険会社の担当者ではなく,加害者本人と交渉することができますか?

 通常,加害者は,示談代行付きの任意保険に入っていますので,被害者と保険会社の担当者の間で話合いがなされるのが通常です。かような場合,保険会社任せで,加害者に誠意がないと思われることも多くあります。
 しかしながら,結局は,交通事故の損害賠償は支払いが幾らになるかということですので,冷静に話し合える保険会社を相手にした方が得策です。
 もっとも,保険会社の提示は裁判基準より低額なので,専門家に相談することが肝要です。

【 好意同乗 】
 知人の好意で,車に同乗させて貰ったところ,事故により怪我をしてしまいました。この場合でも知人に損害賠償請求が可能ですか?

 好意による同乗であっても,運転者に過失があれば,損害賠償請求は可能です。

 しかし,同乗者側にも事故に関する過失があれば,賠償額は減額されます。
 例えば,運転者のスピード違反等の危険な行為を容認または助長していた,運転者がの飲酒しているのを知っていた等の事情がある場合です。

【 会社社長の事故と会社の損害】
 当社の社長が交通事故にあって,会社の売り上げが減少した場合に,損害賠償請求が可能でしょうか。

 かような企業損害が認められる要件は,相当厳しいのが現状です。
 企業損害が認められるかどうかのポイントは,被害者と会社との経済的一体性です。
 経済的一体性は,会社の資本金額・売上高・従業員数等の企業規模,被害者の地位・業務内容・権限・会社財産と個人財産の関係等を考慮して決せられます。
 具体的には,弁護士にご相談下さい。

【 自賠責保険と労災保険 】
 就労中の事故の場合,自賠責保険と労災保険とはどちらを優先させるべきでしょうか?

 通常は自賠責保険を先行させることで問題は有りません。
 ただし,交通事故に対して事故の過失が大きい場合などは,労災を優先させる方が有利と言えます。
 というのは,自賠責保険では自己の過失割合が7割を超える者に対しては,損害補償が5割〜2割の範囲で減額されますが,労災保険にはこのような過失割合による減額はないからです。

【 歩行者と自転車の事故 】
 歩道上で自転車と接触して怪我をした場合に,歩行者の過失が認められることもありますか?

 一般的には,歩道上での自転車と歩行者の事故においては,原則として自転車に責任があります。
 しかしながら,自転車通行可とされている歩道上の事故で,自転車からみて,予想される範囲外の事が起こったために回避が難しい状況であった場合には,歩行者の過失が問題になります。
 例えば,歩行者が植え込みの陰から突然飛び出して来たような場合です。

 自転車と歩行者の事故については,判例の積み重ねが少ない分野ですが,自転車事故の急増により,今後,事例の集積により過失割合の定型化がされるであろうと思われます。

【 将来の手術費 】
 将来の手術費は,損害賠償の範囲として認められますか?

 医師の診察等で,将来の治療費の支出が確実な場合には,現在の損害として認められます。
将来に股関節について人工関節置換手術が必要な場合などです。
 もっとも,将来の手術費の算定が困難であったり不可能な場合には,慰謝料で斟酌されます。

【 将来の休業損害 】
 将来の手術等で休業が予定されている場合,その休業損害が認められますか?

 将来の手術が確実に予想されている場合には,手術により入通院が予定されている期間の休業損害が認められる可能性があります。

【 素因減額 】
 損害が大きくなった事情について,被害者側の身体的特徴や心因的な理由が大きく関係している時には,損害賠償は減額されるのでしょうか?

最高裁の判例では,「被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において,当該疾患の態様,程度などに照らし,加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,民法722条2項の規定を類推適用して,被害者の疾患を斟酌することができる。」とするものがあります。
 しかしながら,心因的素因具体的な判断については,客観的な基準がないのが現状です。
 被害者の自殺と事故の因果関係が認められる事案においては,心因的要因の寄与が問題となることが多いと言えます。




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